Don’t reread, let’s retrieve!
テストやクイズに関して、単に学習の理解を知る手段としてではなく、一つの学習法として捉える見方があります。
読み返しや書き写しなどの復習の方法は、情報を頭の中にインプットしようとするアウトサイドインの流れであるのに対し、テストやクイズは、頭の中の記憶から情報をRetrieve=取り出そうとするインサイドアウトの流れになります。
この方法はRetrieval Practiceと呼ばれ、脳内から情報を取り出そうとする際に脳が記憶伝達を整理して強化するため、次に思い出すことが容易になり、また同時にその応用性も高まると考えられています。
特にここ10年程で、心理学者や認知科学者の間でRetrieval Practiceの様々な実験が行われ、学習効果が非常に高いことが実証され、認識されるようになりました。
ワシントン大学の認知科学者Dr. Henry L. Roediger 達は、5年にわたり1,400人の中学生を対象にミニクイズを使った実験を行い、クイズは長期の学習において非常に効果的であることを実証しました。生徒の97%がクイズに効果があることを実感し、また65%の生徒がテストの不安を軽減したと言っており、実際に生徒たちの成績がCからAになるなどの著しい効果が見られたと述べています。
図1の実験は、ミニクイズを行った生徒の方が、授業のみや読み返しをした生徒より学期末の試験の結果が良かったことを示しています。